1月29日。豊田市在住で鈴木正三顕彰会副会長・鈴木正三研究会事務局長の柴田豊氏を迎え、「没後350年三河の生んだ偉大な思想家鈴木正三の遺徳」と題して、鈴木正三の生涯と遺徳を語っていただきました。
現在は豊田市になりましたが、足助の山奥の地元でも、鈴木正三を知る人は少ない。地元民が取り上げなければという想いで鈴木正三顕彰会を立ち上げ研究や調査を重ねてきた。ジャングル状態だった史跡を、汗を流し切り開き没後350年の記念事業で鈴木正三史跡公園を設立することができました。
鈴木正三は切腹覚悟で42歳で出家するが、原因は分かっていない。今まで鈴木正三が取り上げられなかったのは、彼の行動は目に見えるような実益、実利性がなく、宗派に属さず師を持たない独創性があり、一般人にはついていけないレベルであった。80年苦労してきたが、誰も聞く人がなく、時節にもあわず、ただ腐っていくだけで、あまりの悲しさに自分の念願を末代に残したく、九部の書を書き残した。それが現代に甦る。その一部を紹介していただいた。
仏教を修行してきた正三は、仏教は仏教者には役に立つかもしれないが、社会で暮らしている人にはなじめないと、日常生活においての心がけを重要視した。「己をかえりみて己を知れ、たとえ学問が広くても物知りでも、己を知らずは物知りにたるにあらず」「心をほろぼして心をそだてよ。明々たる心を朦々たる心に掩いてくるしむことなかれ。」「小利を捨てて大利にいたれ。人間一生の行、我身を思はぬはなし。己を捨てて大利(徳)至る」その他に「利益を目的とせず働くを目的とせよ」「与えられた職を天職と思え」など正に職業倫理のいい始めである。
倫理そのもの生き方に参加者は熱心に聴くことができました。
鈴木正三史跡公園のしおりや、足跡の資料を頂きました。ご入用の方はこのブログに書き込むか、事務局まで請求下さい。