4月22日のサンデーモーニングセミナーは、(株)多湖不動産コンサルタントの代表取締役である、多湖利信様を迎えての『最近の名古屋不動産投資事情』。特に名古屋中心部及び周辺地域の不動産の売買の状況について、最近のデータをもとにお話を伺った。
三重県出身、昭和41年に大学へ入った当時、瓶の牛乳が1本10円、コーヒーが60円であった。それから40年が過ぎ、世の中様変わりである。学部は経営学部で、在学中は剛柔流空手部に所属し没頭する。卒業後、地元のスーパー(現在は、全国に広大なショッピングセンターを展開する大手スーパー)に入社する。中近東等への海外出張を経験、危険手当分給与が多かったので、それで社員持株制度の株を購入、5年後に退職した時売却したら、1,000万弱の金額になっていた。それを元手に商売を始める。旅行会社、人材派遣会社、飲食店、カラオケ店などを経営。一番経営効率のよい商売はないかと考えていた時、当時お付き合いしていた社長の中で、一番羽振りがよかったのが不動産業であった。小スペース、少人数で取扱い金額は大きく、これだと思い昭和63年10月から現在の会社を立ち上げる。
最初は資金がないので、ワンルームマンションを買い、少しずつ増やしていった。すし屋やフランス料理店なども買ったりしたが、板前やシェフが替わるとうまく行かないことが分かり、賃料をとるだけの方式に切り変えた。いろいろ経験したが、不動産投資が成功するか否かは、投資による収入と借金とのバランスである。バブルでつぶれた会社は、無理な借金をして経営をした会社である。また、投資利回りをいくらと考えるか、投資効率の視点が必要だ。
公表されている地価の変動率と、実際の売買価格との間には隔たりがあり、実態とはかなり違っている。
不動産の売買価格に影響する要素はいろいろあるが、主に最寄駅からの距離が近いかどうか、角地か否か、容積率、土地の形状である。買うならこれらの条件を満たした物件をえらぶべきである。
不動産投資をする人は、財布を分けることを薦める。私は、自分自身の生活のための財布と、事業の財布と、不動産投資のための財布の3つに分けている。これができない人は、不動産投資を止めたほうがいい。何人もの人がこれができずに、悲惨な目にあっているのを見ている。そうなって欲しくないから言っているのである。当社の社員には、これを徹底しており、できなければ会社に在籍できない仕組みになっている。
氏の座右の銘は、「努力は、天才に勝る」である。
淡々と話される中に、地道な活動の積み重ねの結果が、現在の事業につながっていることを窺い知ることができた。