2月24日のモーニングセミナーは、株式会社近藤ミシン商会 代表取締役社長・西尾市倫理法人会 相談役 近藤清隆様「親への感謝が幸運を招く」
私は三代目でミシン業を営んでいます。祖父は硬い人で器用な人だった。仕立て屋やりながら、ついでにミシンも売っていた。現在は、工業用ミシンを主に特殊ミシンの製造販売をしています。
厳格な親父が嫌いで、やりたくなかったミシン業だが、長男だから後継ぎだと、母親から幼い頃から聞かされていた。学年で一番の成績で表彰されたこともありましたが、勉強が出来ても、ミシン業には役に立たないと褒めてくれなかった父親。
中学を卒業し進学校に行きたかったが、行きたくもない工業高校に入学。家業を継ぐレールに乗せられた。
物づくりは好きだったが、高校卒業後は、仕事は好きでも、意見のすれ違いが多い親父とは一緒にやりたくなかった。顧客の要望にあったミシンを造り、買って頂ける事になっても、親父は「そんなもの売るな!」という始末。社内関係が良くない事が、お客様までわかってしまう。犬猿の仲でうまくいかず、取っ組み合いの喧嘩になり、私は家を出て独立。
何とか、親父を見下してやろうと、啓発プログラムのフルセットを買って、モチベーションを上げたり、啓発プログラミのセミナーにも参加した。その場の参加者が、倫理法人会の話をしていて、倫理の存在を知る。
近くに、倫理法人会が無かったので、三河支所 安城実践部 入会(現 家庭倫理の会)。
朝5時から、悔しいおもいで「朝の集い」(早朝の勉強会)に行き、自分の心境を話した。倫理指導を受けるように勧められ、倫理指導を受けるるが、指導員から「親を非難をしていては成功はない。」父親に、すぐお詫びをしてくるように強い口調で指導された。あんな親に詫びることは今はできないと思い、「朝の集い」に行かなくなってしまった。
それでも、親孝行の真似事で、家族と両親とで食事会へ行き、親父とは目を合わせる事も無く、口もきかないでも、母親と子供がクッションになって、幸せそうな家族に見えたのか、料亭の女将さんの、「お幸せそうな家族ですね〜」の一言が、母の涙し私の心が揺れる。指導員の「それでは子供が、孫が不幸になります」の言葉が甦り、子供のためにも親父に詫びる事を決心。
実家へ詫びに行くのに式をとる。まず先祖のお墓前りに行くことで、ご先祖様が力になってくる。実家に入る時は一礼をする。
実家に行き、親父の顔見たら詫びの言葉は言えなくなるので、親父が来たと同時に思い切って間髪入れずに「ごめんなさい」と言って、両手をついて謝った。
すると不思議なことに、涙がとめどもなく出てくる。その後は、気分がすっきりし晴れ晴れとした気持ちで、何かの壁が取れた気がする。
そこからは早い、一週間後に実家へ戻る。親父の関係が一気に好転し、わだかまりがすっかり無くなる。仕事の事での意見のすれ違いもなく、お互いに受け入れられるようになった。
その後、父は、脳梗塞で一週間入院、命は取り留めたが後遺症が残る。ある日、父に呼ばれて、実印と貯金通帳を渡され、自然な姿で継承できた。
親を喜ばせることが、先祖を喜ばせることが、力になる。
目に見えない力が起きてくる。
その後、特殊ミシンの技術を開発できたのも、親先祖の力である。