6月29日サンデーモーニングセミナーは、5月にNHKラジオ深夜便「こころの時代」にも出演された、宋吉寺元住職 西川玄苔様をお迎えし「三昧と吉祥(きちじょう)(幸福)について」〜仏教の基本姿勢〜。
人が生まれて、生きていくには、非常にたくさんの因縁を持って生きていかなければならない。そして様々な対人関係においても“我慢”の連続であろう。男女においては、結婚すれば死後まで関係がつづき、夢に亡くなった家内が時々出てくる。家内を介護していたときは、大小便の有り難さを知り、三日ぶりに出たときは「おめでとう」と言って喜んだ。国家社会も、偉大な力で、また複雑な力関係で動いている。その中で、日本文化は素晴らしいモノがあり、三昧を超える“空”の感覚を大切にして、説明し難いものがある。熱中し集中を超えると“空”になり三昧になり、スポーツの相撲やイチローがバッターボックスに立った時の顔つきは、宮本武蔵を思わせるので、“空”の感覚に居るのかもしれません。
自然の営みは人智を超え素晴らしいし、美しい。ひとたび牙をむけば、それは恐ろしい。台風や地震が起きた時は人の力ではどうにもならない。大災害は人類への警告と受け取られる面もある。
このように人生には、男と女・家庭・健康・経済・職業・国家社会・対人関係・文化思想・自然などのあらゆる問題を背負って生きている。現代は、スピード化され携帯やパソコン、インターネットで便利にはなったが複雑怪奇な時代である。無常迅速、我々は一日に84億余りの刹那が動いていて、停滞しない。
仏教の基本姿勢は、いつの時代も、見えるもの見えないもの一切が“空”となり私を取り巻いていて、バランスよくコントロールされてので、自我を捨てて天地いっぱいの本来の自己を知ることである。とらわれの壁を通り越すと、よろこびになる。参加者45名